私が写真管理に利用しているSynologyのNASは、最近、11/14と11/21の2回にわたって日経新聞電子版でも紹介されていました。意外にもSynologyについて知りたい方が多いのかと思い、今回は、Synology NASで私が具体的にどのような設定を行っているのかご紹介したいと思います。
なお、私の写真の管理方法は、以前に以下のエントリーでも紹介しています。
写真管理のMacへの移行:
http://macfan0707blog.seesaa.net/article/426019834.html
写真管理の概要
私がSynology NASで行っていることは、家族用のアルバムと個人用のアルバムを作成し、家族用のアルバムを家族全員で参照できるようにし、個人用のアルバムを特定の個人にしか参照できないように制限することです。
Synology NASは、ブラウザ経由で操作できるDiskStation Manager(DSM)と呼ばれるアプリケーションで各種設定を行うことができます。DSMはSynology NASのOSのようなものです。一方、写真の設定の多くは、DSM上で動く、Photo Stationと呼ばれるアプリケーションで行います。Synology NASでは、写真管理用に"/photo"という共有フォルダがデフォルトで作成されますが、Photo Stationでは、このフォルダーの下を管理することになります。
アカウントの作成
まず、アカウントの作成を行います。アカウントの作成は、DSMで行います。DSMの中の「コントロールパネル」を開くと、「ユーザ」というアイコンがありますので、そこをダブルクリックして開きます。これは、Synology NAS全体で有効なアカウントを作成する機能ですが、ここで作成したアカウントをPhoto Stationの中でも使い回すことができます。
アカウントの作成が終わったら、Photo Stationを起動します。admin権限のアカウントでログインすると、「設定」メニューが出てきますので、そちらを選択します。そして、一番上の「ユーザアカウント」の欄で、「DSM アカウント」を選択します。これで、DSMで作成したアカウントをPhoto Stationでも利用できるようになります。
ここで、「Photo Station アカウント」を選択してしまうと、Photo Station用に新たにアカウントを作成しなければならなくなります。こちらを選択する必要はほぼないでしょう。
アルバムの作成
アルバムの作成は、Photo Stationで行います。私は、「家族」「妻」「娘」「私」の4つのアルバムを作成しています。家族のアルバムには、家族全員のアカウントからのアクセスを許可し、個人のアルバムには、各個人からのアクセスのみを許可します。具体的には、以下の手順になります。
- Photo Stationのアルバムを選択した状態で「追加→アルバムの作成」
- アルバムのプロパティを設定
- フォルダー名:ここでアルバムの名前を付けます。ここで指定した名前で"/photo"の下にフォルダーが作成されます。
- 説明:アルバムの説明を記載します。
- 許可タイプ:アクセス許可のタイプを指定します。公開アルバム、個人アルバム、パスワードの3種類が指定できます。公開アルバムは、すべての人にアルバムが公開されます。個人アルバムはアクセスが許可されたユーザのみ閲覧できます。パスワードは、正しいパスワードを入力したユーザのみ閲覧できます。私は、個人アルバムを選択し、適切なユーザのみにアクセスを許可しています。
- 権限の割り当て:このボタンを押すと、各ユーザに対するアクセス権の指定画面が現れます。私は、家族用アルバムには「妻」「娘」「私」の3人を割り当て、個人のアルバムにはそれぞれ対応するアカウントを1つだけ割り当てています。
- ファイル変換:Synology NASはアルバムに保存された写真のインデックスとサムネイルを自動的に作成してくれます。モバイルアプリケーションから参照するときは、フルサイズの写真ではなく、サムネイルを参照しますので、動きはかなり軽快になります。インデックスとサムネイルの作成対象にしたくない場合は、「このアルバムの変換を無効にする」にチェックを入れます。
- 家族アルバムの下に「年」単位のアルバムを作成
私は、家族のアルバムの下にさらに「年」単位のアルバムを作成しています。さらにその下に、その年のイベントごとにフォルダーを作成して写真を格納しています。Photo Stationでは、フォルダーが作成されると、自動的にアルバムとして認識されるので便利です。逆に、"/photo"の下に存在するフォルダがすべてアルバムとして認識されてしまうため、Macに付属の「写真アプリ」のようにフォルダーの管理体系を自分で指定できない場合には使えません。
- 個人のアルバムの下は各人が管理
個人のアルバムの下には、特に特定のフォルダーは作成しません。この個人アルバムに対して、iPhoneなどで撮影した写真を自動転送する設定を行います。具体的には、Photo Stationと連動するDS Photoというモバイルアプリがありますので、各個人のiPhoneにインストールして自分のアルバムの下にデータを自動アップロードする設定をしておきます。
個人アルバムの下には、DS Photoから自由にアルバムが作成できますので、アップロードされた写真を各自が自由にアルバムに分類するようにしています。
スマートアルバム
スマートアルバムは、写真に保存された情報からPhoto Stationが自動的に分類してアルバムを作成する機能です。私は、個人アルバムを年ごと、月ごとに分類するために利用しています。
具体的な設定は以下のように行います。
- Photo Stationのスマート アルバムを選択した状態で「追加→新しいスマート アルバム」を選択
- スマートアルバムのプロパティを設定
- アルバム名:スマートアルバムの名前を指定します。
- アルバム:スマートアルバムの作成対象となるアルバムを指定します。家族アルバムは、そもそも年毎のアルバムで管理しているので、ここでは「妻用」「娘用」「私用」の3つのアルバムを指定します。
- フィルター項目:年ごと、月ごとのアルバムを自動的に作成するために、フィルター項目として「撮影日」を指定して、フィルターしたい期間を指定します。
以上がSynology NASを使った写真管理の概要になります。Synology NASの良いところは、アカウントごとにアルバムへのアクセス制御をきめ細かく行える点と、モバイルアプリケーションから快適にアルバムを操作できる点です。機能的には大変豊富で、私も全てを使いこなせている訳ではありません。また、便利な機能などありましたら、ご紹介させていただきます。